現場で役立つ食中毒知識

TRIVIA

カンピロバクター

何と言っても、飲食店発生率NO.1が、カンピロバクターです。
3月~12月は、件数が多いのですが、鶏肉が主な原因であるこの菌が冬に無くなることはなく、1年中警戒が必要です。スーパーに並ぶ鶏生肉(胸肉・もも肉)は、カンピロバクター菌に約45%汚染されています(厚生労働省HP)。朝〆の鮮度抜群な鶏肉は、カンピロバクター菌も元気なので、よりリスクが高いと言えます。鳥刺し等鶏の生肉は、絶対に提供してはいけません。

2019年カンピロバクター月別件数

1月10
2月8
3月28
4月26
5月24
6月28
7月29
8月20
9月30
10月25
11月16
12月19

2019年カンピロバクター月別患者数

1月43
2月46
3月175
4月190
5月130
6月225
7月185
8月180
9月230
10月130
11月110
12月130
 全体件数飲食店場所不明
年次全体件数全体患者数飲食店件数 飲食店
患者数

平均患者数
店舗
飲食店
事故率
飲食店
患者率

不明件数不明患者数平均患者数件不明率 患者率
2000年4872,2094266415.88.6%30.1%413 1,035 2.584.8%46.9%
2001年4341,9465677613.912.9%39.9%3566581.882.0%33.8%
2002年4642,3397081311.615.1%34.8%3636981.978.2%29.8%
2003年5002,69697 1,114 11.519.4%41.3%3778252.275.4%30.6%
2004年5872,48283 1,188 14.314.1%47.9%4766491.481.1%26.1%
2005年6523,487147 1,631 11.122.5%46.8%4687501.671.8%21.5%
2006年4192,319129 1,164 9.030.8%50.2%2603661.462.1%15.8%
2007年4182,508160 1,535 9.638.3%61.2%2385742.456.9%22.9%
2008年5153,172229 2,038 8.944.5%64.2%2706672.552.4%21.0%
2009年3472,208173 1,418 8.249.9%64.2%1562781.845.0%12.6%
2010年3622,105187 1,378 7.451.7%65.5%1564362.843.1%20.7%
2011年3372,342 219 1,885 8.665.0%80.5%1052822.731.2%12.0%
2012年2681,869 157 1,099 7.058.6%58.8%972662.736.2%14.2%
2013年2271,621 143 1,140 8.063.0%70.3%712723.831.3%16.8%
2014年3071,894 203 1,438 7.166.1%75.9%922122.330.0%11.2%
2015年3182,089 237 1,654 7.074.5%79.2%672143.221.1%10.2%
2016年3393,272 280 2,726 9.782.6%83.3%442044.613.0%6.2%
2017年3222,446 257 1,671 6.579.8%68.3%4952110.615.2%21.3%
2018年3191,995 263 1,676 6.482.4%84.0%391473.812.2%7.4%
2019年2861,937 241 1,574 6.584.3%81.3%331434.311.5%7.4%
2020年1829011386274.575.8%69.6%35952.719.2%10.5%

2005年飲食店発生率22.5%だったのが、2019年飲食店発生84.3%に増えています。
同時に、2005年不明件数468件だったのが、2019年不明件数29件に減ってます。
この20年間で、原因追及がしっかりできるようになった. . .そして、「その多くが飲食店」だったと言えます。
不明だったものが明確になり、飲食店事故率が上がる. . .となれば、不明の多くは、飲食店だという可能性が高いと言えます。
「飲食店+不明」は、昔も今も95%前後で推移しています。